ロイヤルアスコット

ロンドンは、朝と夕方はまだまだ寒いですが、日中はようやく安定した春の陽気が続いていて、郊外に向かうと芝生や生け垣の緑、レンギョウやモクレンなどの春の花々が目に鮮やかです。
さて今回は、春を迎えるロンドンで恒例のイベント、ロイヤルアスコットについてお伝えしたいと思います。
バークシャー州のアスコット競馬場で毎年6月半ばに行われるロイヤルアスコットミーティングは、世界中から優秀馬が集まる、平地レースの一大イベントです。
各界からセレブリティが集う大きな社交の場でもあり、通常5日間で30万人が集うといわれています。
ドレスコードが定められているため、皆華やかなドレスやモーニングを着こなして、男性はシルクハット、女性は競い合うように個性的な帽子をかぶって参加します。
イギリス王室が主催するレースなので、ロイヤルファミリーもご臨席。
開催期間中は毎日午後2時に、エリザベス女王がウィンザー城から馬車に乗って到着し、観客に手を振って挨拶するのを見ることができます。

年に一度のロイヤルアスコットはまるでお祭りのようで、その盛り上がりは競馬場に向かうところから始まります。ロンドンから郊外へ向かう列車の中では、早くもシャンパンを開け始める人達も!
一方、向こう側が見えないくらい広い駐車場には、リムジンはもちろん、馬車でお出ましの貴族(だったのか不明ですが)の方々が次々と乗り付けます。
芝生の駐車場で、シャンパンとサンドイッチ、イチゴ等のピクニックランチをする人達も。ピクニックランチとはいえ、クリスタルのシャンパングラスやお給仕の召使いさんまで連れてきているのには驚きます。
会場は3つのエリアに分かれています。
一般に売り出されていない紹介制のロイヤルエンクロージャー、ジェネラル(一般席)のグランドスタンド、ドレスコード無しのシルバーリングに分かれており、それぞれ行けるエリアも違うという、まさに階級別。イギリスの階級社会を目の当たりにすることができるでしょう。
エントランスではプレスやテレビ取材陣が、目立つファッションの女性を次々に呼び止め、取材をしています。新聞では、木曜日のレディースデイの特集を組んでファッションチェック的な記事や、たくさんの奇抜な帽子のご婦人の写真を載せたりするのが恒例となっているのです。派手さ、奇抜さにかけては躊躇がないイギリス婦人たち、毎年工夫を凝らしてオリンピックの5輪を載せてみたりイングリッシュブレックファストが乗ったお皿を載せてみたりと見ていて飽きません。
着飾った人々で一杯の中、シャンパンを飲みながらお喋りをしたり、パドックへ馬を見に行ったりしているうちに、エリザベス女王のパレードが始まります。目の前を女王の馬車が通るのを見て、予想外に興奮し大きく手を振ってしまうミーハーな自分に驚きました。
その後はいよいよレース観戦。初心者でも分かるように、レース毎の予想馬のヒントが書かれているパンフレットを見ながら、目星を付けてブックマーカー(賭け屋)から馬券を買います。目の前で観るレースの迫力とそのスリルはもの凄く、思わずどんどん賭け金を上げていってしまいます。(私は結局、一度も勝てませんでしたが…)

最終レースが終わったら、会場全員で歌うアスコット伝統の合唱に参加してから帰路につきます。慣れないヒールは芝生にズブズブと刺さるし痛いので、ギブアップして裸足で歩いている女性もちらほら見かけました。
とってもイギリスらしいといえる、ロイヤルアスコットでの一日。ロンドンにご旅行の際は、是非参加してみて下さいね!
Royal Ascot Meeting
http://www.ascot.co.uk/royal-ascot/the-royal-meeting-begins

